時の流れの落し物

日常生活の中で生れたもので、今は忘れられているもの、そんなものを見つけていきたい。

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●奈良懐古、正倉院正倉整備工事・第二回見学会へ。鹿とともに

2014・10・27追記
正倉院正倉威風堂々、3年ぶり修理終え公開
とのニュース    これへクリック




宮内庁から次のような発表がありました。

正倉院正倉は,奈良時代の八世紀中頃に創建され,1,200年以上の歴史を有する国宝指定の建造物ですが,大正2年に実施された解体修理から約100年を経過し,傷みが徐々に進行して雨漏りが懸念される状態となったことから,本年(平成23年度)より屋根の葺き替えを主とする整備工事を行うこととなりました。

つきましては,文化財建造物の保存修理について理解を深めていただく機会と致しまして,この工事期間中に計5回の現場公開の実施を予定しております。

全体の計画は次の通りです。


平成23年度
宝庫西門解体,樹木の移植,素屋根等の設置,唐櫃等の搬出等
平成24年度
瓦の解体,選別,清掃,新規瓦の製作,小屋組構造補強等
平成25年度
小屋組構造補強,新規瓦の製作,土居葺,本瓦葺等査
平成26年度
唐櫃等の搬入,素屋根等の撤去,樹木の復旧等月


このうちの第二回現場公開は

1 屋根瓦をおろした正倉の様子を間近で。

2 公開日 平成24年9月21日(金),22日(土),23日(日)の計3日

3 見学開始時間 9時 ・ 10時 ・ 11時 ・ 12時 ・ 13時 ・ 14時 ・15時 
(計7回


4 見学内容 工事用素屋根内において,屋根瓦をおろした正倉を外側からご覧いただきます。
素屋根内1階:正倉床下の様子
素屋根内2階:正倉東面の様子
素屋根内3階:正倉屋根(東西南北)の様子

正倉院正倉整備工事第2回現場公開の見学申込要領について

正倉院正倉整備工事第2回現場公開の見学を希望される方は,次の要領で申込書を作成され,正倉現場公開係(〒602-8799 日本郵便西陣支店留め)へ郵送して下さい。(見学は無料です。)

このような形で公開されました。
9月21日12時で申し込みましたが、固有の整理番号IMG (640x438)  この通知書が届きました。

東京からの日帰りで出かけました。

いつものこととはいえ、奈良と云えば鹿。早速、鹿とご対面。

P1030343 (640x480)

江戸中期、荻生徂徠の門人に太宰春台(1680~1747)がおりますが、「寧楽(なら)懐古」という詩があります。元赤穂藩家老の大石内蔵助が吉良邸へ討ち入りしたのは元禄15年(1703)ですから春台23歳の時です。その時代のひとが詠む「奈良(寧楽)」。

寧楽懐古   太宰春台

南土 芒芒たり 古帝城 ●なんど、ぼうぼうたり、こていじょう  ●南土は南都●古帝城は、平城京のこと
三条 九陌自ら 縦横  ●さんじょう、きゅうはく、おのずからじゅうおう ●陌は、東西にはしる道
籍田 麦秀でて 農人度 ●せきでん、むぎひいでて、のうじんわたり ●籍田は、天子の耕作地
馳道 蓬生じて 賈客行く ●ちどう、よもぎしょうじて、こかくゆく ●馳道は、天子など貴人の通る道●賈客は、物売
細柳 低垂 常に恨みを惹き ●さいりゅう、ていすい、つねにうらみをひき
閑花 歴乱 竟に情無し ●かんか、れきらん、ついにじょうなし ●閑花は、のどかに咲いている花●歴乱は、乱れて咲くさま
千年の陳迹 唯 蘭若  ●せんねんのちんせき ただ らんにゃ ●陳迹は、古跡 ●蘭若は、東大寺などの寺院
日暮 呦呦 野鹿鳴  ●にちぼ ゆうゆう やろくなく   ●呦呦は、鹿の鳴き声

「野鹿鳴く」は、亡国のイメージを高めている措辞です。

天子が神仏への供え物にする作物を耕作する土地は、麦が実り農家かが行き来し
貴人たちの道は、今は物売が往来する
そして、過ぎ越し千年を忍ばせる古跡、寺などが残る

と歌うこの詩。

その千年の、陳迹は、更に、この詩が歌われてから300年ほどの年月を加えています。

正倉院。

天平勝宝8歳は、聖武天皇が崩御された年で、その七七忌にあたる6月21日に光明皇后が聖武天皇のゆかりの品々を東大寺大仏に献納し、正倉院宝物の始まり。

北倉は聖武天皇御遺愛品が納まり、当初から開扉に勅許を要する倉、すなわち勅封倉。中倉も平安時代中頃までには…、南倉のみは長らく僧綱(のち東大寺三綱)が管理する倉、すなわち綱封倉でしたが、明治8年(1875)に正倉および正倉院宝物が政府の管理下に置かれるに至り、三倉とも勅封倉となる。 

戦後、新しく近代的な宝庫が完成したことをうけて、正倉にあった宝物は、昭和35年(1960)までに、一部の唐櫃を除いて全て取り出されました。現在は、空調設備のある西宝庫(昭和37年竣工)、東宝庫(昭和28年竣工)が宝物の収納・保存の役割を担っている。なお、西宝庫は、勅封庫となっている。

正倉の屋根は平瓦と丸瓦を交互に並べる本瓦葺で、大正時代に全面解体修理が行われてから約100年が経過、経年による瓦のずれ、破損、瓦を固定する葺土の流出などが見られたのこと。瓦の破損は、屋根下地への影響が懸念される状態。大正の修理で雨漏り防止のため新たに設けられた土居葺が傷んでいる部分は多くないことが判り、今回の大規模な整備が行われることになったとのことです。

正倉を囲む足場の様子。

正倉院正倉の現場足場P1030346 (640x478)

見学入口です。

正倉院見学入口P1030348 (640x463)

瓦の解体など済ませており、その様子、記録映像で。その一部を。

工事の足場 記録映像の一部・足場P1030363 (640x480) 
北倉の内部(納められていたから唐櫃等は23年に搬出済み)  記録映像の一部・北倉内部P1030350 (640x465)  正倉院正倉記録映像・北倉内部P1030351 (640x471)  

瓦屋根  記録映像の一部・屋根P1030352 (640x473)   丸瓦  記録映像の一部・丸瓦と平瓦P1030353 (640x464)   瓦撤去  記録映像の一部・瓦の撤去作業P1030355 (640x480)記録映像の一部・瓦の撤去作業P1030356 (640x480)  記録映像の一部・平瓦の撤去作業P1030357 (640x480)  記録映像の一部・瓦の撤去作業 (640x457)

木組 記録映像の一部・屋根P1030359 (640x476)   傷んだ土居葺を外す記録映像の一部・屋根・傷んだ土居葺を外すP1030361 (640x462)

正倉床下の様子

正倉の一階柱P1030365 (640x480)

校倉作り 正倉の校倉組みP1030366 (640x480)  校倉組みP1030368 (640x393)

この組方が外気をコントロールして中のものが変質をせずに済んだと言われていますが、実際には、僅かであってもところどころにすき間があったりしていてこの説は、今では、見直されているとのこと。木造であることによって急激な温度変化がないことは当然ですが、更に、唐櫃など、細心な注意をもって保護されていることが、あいまっての効果であろうと言う。


南倉から中倉、北倉を見る

南倉から中倉をP1030371 (640x457)
 
中倉の勅封の様子(再現)。通称、「海老錠」と云われているという

中倉の勅封(エビ鍵)再現 棚を左右の柱の溝に入れて鞘箱を被せるP1030384 (640x480)

右側に、横溝が見えますが、左側にも同じものがあり、ここに板をはめ込み、海老錠を覆う鞘箱を載せる棚を作る。

南倉に再現された海老錠を覆う鞘箱

南倉の鞘箱P1030382 (640x478)

北倉は、開放されていて内部が見られます。23年に、中にあった唐櫃は取出されている

北倉の内部を覗くP1030380 (640x421)
上は、北倉の内部を見ている

その北倉の内部の様子

北倉の内部P1030375 (640x478)


記録映像で見るように、正倉の屋根は平瓦と丸瓦を交互に並べる本瓦葺です。

正倉の屋根に葺かれていた瓦は、何度も行われた修理の歴史を物語るように、様々な特徴のものが混在。それらは寸法や細部の作り方が異なり、製造年々製作者を示す刻印や箆書き(へらがき)があるものも多く見られ、創建当初の天平時代から、鎌倉・室町・江戸・明治・大正そして現代に補足した瓦まで、いろいろな時代のものが含まれているとのことです。

瓦の撤去の様子は、すでに記録映像として写真を紹介済みです。瓦を取り除いた屋根の様子を次に。

土居葺など構造よく分かるP1030387 (640x480)

土居葺P1030386 (640x409)

大正の修理で雨漏り防止のため新たに設けられた土居葺が傷んでいる部分は多くないことが判ったということです。

飛猿垂木・銅板で補修状態P1030406 (640x447)

別の角度から…飛猿垂木がきれい

見学通路・飛猿垂木と銅板正面P1030408 (640x479)

今まで屋根を飾っていた鬼瓦と鳥衾(とりぶすま)

北東一鬼と一の棟の鳥衾  北東一の鬼と北東一の棟の鳥衾P1030389 (640x461)
北東二の鬼と二の棟の鳥衾  ⇒ 北東二の鬼と北東二の棟の鳥衾P1030390 (640x456)
北西一の鬼と一の棟の鳥衾  ⇒ 北西一の鬼と一の棟鳥衾P1030391 (640x476) 
  鳥衾の表に ⇒ 北西一の棟鳥衾裏面・天保…P1030393 (456x640)

北西二の鬼  
 北西二の鬼・ニシノキヤウの鬼瓦P1030394 (640x477)
南西一の鬼  ⇒ 南西一の鬼鬼瓦P1030395 (640x436)南西一の棟の鳥衾  ⇒ 南西一の棟鳥衾P1030396 (463x640)
南西二の鬼  ⇒ 南西二の鬼(東大寺の印字あり)P1030397 (479x640)
南東一の鬼 ⇒ 南東一の鬼P1030398 (640x474)
南東二の鬼  ⇒ 南東二の鬼P1030399 (640x471)


取り外した瓦は、選別して使えるものはそのまま使い、不足分は、新しく造る。今までは各時代の製法で作り、寸法などもさまざまであったので今回は、創建当時の製法でつくり、その旨分かるように刻印すると言う。

瓦の表面に布目があり、それも踏襲すると言う。

平瓦…

平瓦・布目ありP1030400 (640x472)

布目を付ける

平瓦の布目造りP1030401 (640x458)

桶巻作り

桶巻造りP1030402 (640x464)

P1030414 (640x480)

新しい瓦の製作が行われているようです。
完成が待たれます。

    鹿の鳴く奈良にはありぬ真の闇

有意義な一日でした。

※追伸 2012・12月14日

大修理中の正倉院を公開、来年3月には一般公開にも
という、次のような新聞の記事がありました。

大修理中の正倉院を公開…来年3月には一般にも

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